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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
数分後。
大樹の友達五人と、泉夏と龍貴-総勢七名が二つのテーブルを繋げ、全員で食事をしていた。
なんの罰ゲームよこれ-注文したパスタが目の前に置かれているが、ちっとも喉を通らない。
大樹達は既に食事は終えていたらしく-かと言って騒がしくも出来ず、先程までの賑やかさはどこへやら、微妙な空気が流れてる。
こんな静まり返った中、とても食事なんて出来やしない。
-ほんと、羨ましい。
左隣りに座る龍貴を見上げる。
どこ吹く風で、次々と口に食べ物を運んでいる。
片や泉夏は、フォークでパスタを一巻きして飲み込むのが、やっと。
なんで一緒に食べようなんて言い出すかな-大樹を恨めしく思う。
まあ、隣りのテーブルのままでも、気まずさはそう変わらなかったか。
早く食べて帰りたい-その為にはまず、料理を平らげないといけない。
無理矢理な感じでフォークを使って、更に一巻き。
「…あの、ほんとさっきはちょっとうるさくて」
-済みません。
大樹が代表して、龍貴の左隣りで謝罪してきた。
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