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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
先程からほぼ無言を貫き通す龍貴に、今一度きちんと頭を下げないといけないと思ったらしい。
感情のない声音で一喝され、次いで強烈な外見に驚き、そうとう縮み上がっている仲間達は成り行きを見守っている。
しかし大学の友人に偶然ファミレスで出会ったからと言って、よく一緒のテーブルに誘えるなと思う。
自分一人ならまだしも、この厄介な彼ももれなくついてくるのに。
きっと声に出さないだけで、大樹の友達はこう思ってたに違いない-え、なんで?
早々に店を出たいくらいだったんじゃないかとすら思う。
怖いもの知らずと言うかなんと言うか-たまに出てくる、予想を超えた彼のこの勇気はどこからくるのか。
単に鈍感なだけ?
コップの水を一口飲み、泉夏は再度龍貴を見る。
龍貴も龍貴で、大樹の誘いをてっきり断るかと思いきや。
『…いいけど』
即答し、テーブルを引きずった。
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