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第4章 予兆の冬

「そしてあわよくば、お前の隣りに座りたかったんだろうけども？そこまでする義理はないので、俺が阻止してやった」
その為の席替えね－こちらもようやく納得がいった。
しかし－。
「…ちょっとかわいそう」
「は？誰？彼？」
「そう。なんか龍の思惑通りにただ操られているような」
「なんで。お前のとの仲を取り持ってやったのに。好きなら後は自分で努力すりゃいいじゃん」
「いや、それはそうなんだろうけど…」
「じゃあお前は、俺と彼どっちの隣りにいたかったわけ？」
「…龍」
気恥ずかしさを感じながらも、泉夏は呟く。
だろ－最上に艶のある龍貴の囁きが、泉夏の耳に染み渡る。
「あ、あの…お兄さん？」
遠慮がちな大樹の声がふたりの間に入る。