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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
龍貴は振り向いた。
その鋭い目つきが怖かったようで大樹は尻込みしかけたが、意を決して問いを投げかける。
「あの、お兄さんて、流川のお兄さんですよね?」
何も知らない人が聞けばおかしな質問に聞こえるが、秋から今まで彼女の実兄だと信じてきた大樹は、腑に落ちない何かを感じ取ったらしい。
龍貴は最高に意地の悪い笑みを張り付けた。
「お兄さんだよ…尤も、血の繋がりはないけど」
「えっ?」
予想もしない告白に、大樹は言葉を失う。
「ご両親が再婚されてとか…?」
思いつくのはその程度である。
「いや」
「…」
「気になる?」
「え、いや…はい」
しどろもどろの大樹を見兼ねて、泉夏は今が弁解する時だと思った。
その鋭い目つきが怖かったようで大樹は尻込みしかけたが、意を決して問いを投げかける。
「あの、お兄さんて、流川のお兄さんですよね?」
何も知らない人が聞けばおかしな質問に聞こえるが、秋から今まで彼女の実兄だと信じてきた大樹は、腑に落ちない何かを感じ取ったらしい。
龍貴は最高に意地の悪い笑みを張り付けた。
「お兄さんだよ…尤も、血の繋がりはないけど」
「えっ?」
予想もしない告白に、大樹は言葉を失う。
「ご両親が再婚されてとか…?」
思いつくのはその程度である。
「いや」
「…」
「気になる?」
「え、いや…はい」
しどろもどろの大樹を見兼ねて、泉夏は今が弁解する時だと思った。

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