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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
「お兄さんってどっちの?まさか龍貴さん?」
「そうそう」
「嘘!私も行きたかったよ~!なんで呼んでくれなかったのよ~」
「いや、たまたま会っただけで…」
「ずるいよ~」
頬を膨らます麻衣に、泉夏は苦笑いした。
「麻衣まだ実家にいた日だよ。無理だって」
「知ってたら早く帰って来てた!」
「え、そんなに?」
「そんなに!行きたかった!」
はあ、と溜め息。
麻衣にまるで相手にされてない実兄が憐れになったり、ならなかったり。
うちのお兄ちゃんに比べて、ほんと龍は男女構わずもてるな-泉夏は改めて思う。
ファミレスで、さあ帰ろうという時。
伝票を掴んだ龍貴は黙ってレジに向かい、全員分をカードで支払った。
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