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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
元から御馳走になる前提だった泉夏はお礼を言い、それでその場は終わるはずだったのだが。
『あの、お兄さん』
大樹がおずおずと声をかけたものだから、龍貴の頬が微かに動いた。
『俺達、自分の分は払いますけど…?』
更にその一言で、眉も顰(ひそ)めららた。
『伊東君、俺に恥をかかせるつもりじゃないよね?』
『え、恥?いえそんなまさか-』
明らかにご機嫌が斜めになりつつある龍貴に、慌てて大樹は否定する。
でも、自分何か失言したっけ-大学一年の彼には、やはりまだ理解は難しかった。
『あのさ。俺こう見えても一応社会人で、給料もらって生活してんの。自分より十も年下の学生達のご飯代奢るくらいは、余裕で稼いでんの。なのに会計済ませたすぐ後に、レジの前でさあ-』
泉夏は龍貴の服の裾を強く引いた。
龍貴は深い溜め息を吐き、気持ちを鎮める。
『あの、お兄さん』
大樹がおずおずと声をかけたものだから、龍貴の頬が微かに動いた。
『俺達、自分の分は払いますけど…?』
更にその一言で、眉も顰(ひそ)めららた。
『伊東君、俺に恥をかかせるつもりじゃないよね?』
『え、恥?いえそんなまさか-』
明らかにご機嫌が斜めになりつつある龍貴に、慌てて大樹は否定する。
でも、自分何か失言したっけ-大学一年の彼には、やはりまだ理解は難しかった。
『あのさ。俺こう見えても一応社会人で、給料もらって生活してんの。自分より十も年下の学生達のご飯代奢るくらいは、余裕で稼いでんの。なのに会計済ませたすぐ後に、レジの前でさあ-』
泉夏は龍貴の服の裾を強く引いた。
龍貴は深い溜め息を吐き、気持ちを鎮める。

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