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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
『…』
『四年耐えて卒業したら告白する?それでいい返事がもらえればまだいいけれども?向こうの気持ちだってあるから、こればかりはどうなるか分からない。もし、断られたら?あいつだってこの間に誰かを好きになる事も、結婚する可能性だって十分ある』
『…』
『人の恋愛に首を突っ込む気は更々ないけども、お前がしんどそうだから。正直あいつは、好きになる相手としてはハードルが色々高過ぎると思う』
『…』
『だから、身近でお前を好きだと言ってくれる奴がいるなら、付き合ってみたらいいんじゃないかと思ってさ。その点、伊東君ならちょうどいいじゃん。断ったってまだ好きでいてくれてるみたいだし?大学の中でも外でも誰にも文句を言われずに、堂々としていられる。そのうち、先生の事は忘れられるかもしれない。だから-』
やっぱりね-ほんの一瞬、泉夏の様子を伺った龍貴は深く息を吐いた。
『…泣くよな、やっぱり』
身体を曲げ、両膝に突っ伏し、静かに肩を震わす泉夏がそこにいた。
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