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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
冬休み明け二日目。
今日の一時限目、有栖川先生の一年生最後の講義。
いつにも増して早起きをし、いつもの最前列、真ん中に座る。
美人でもなんでもない私だけれども、少しでも綺麗な私でいたいから-頑張ってお洒落もしてきた。
これくらいの事で、何もかも完璧過ぎるあなたに釣り合うなんて、到底思ってないけれど。
ひとめ見てくれたその時。
もしも叶うのなら。
一瞬でいいから。
かわいいと思ってくれたなら-なんて、高望み。
この一年間、ずっとただの自己満足だったけれども-それでも良かった。
あなたを想ってネイルを塗り。
口紅を引き。
髪を巻いて。
タンスの中身を全部ひっくり返して洋服を選び-鏡の前で、ひとりファッションショー。
この服は先週と同じ、このスカートは短過ぎて下品かな-きっとあなたは気にも留めてないのにね。
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