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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
慌てて目を逸らしかけ-あなたの口元が僅かに開いたのを発見する。
思わず、顔を見てしまう。
微かに-でも確かに、彼は微笑んだ。
彼女だけが分かる-彼女だけに向けられた、それ。
泉夏はその瞬間、あの桜の季節からもう何度目か知れない恋に再び、堕ちた。
有栖川准教授の最後の講義が始まった。










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