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第1章 心恋の春

「ち、違うもんっ」
「違うって？」
「私は先生の見た目や頭の良さを好きになったんじゃない。好きになったひとが、たまたまそうだっただけで…！」
－彼の事は去年から知っていた。
この大学の受験案内のパンフに、その若さと見目の良さで大きく載っていた。
言い方は悪いかもしれないが－恐らく、学生募集の広告塔の一つとして、使われているのだろう。
あまりにも若いから、初めは院生の写真かと思った。
よくよく見てみると、れっきとした大学の先生で。
しかも准教？
この若さで？
最初はまずそこに驚いた。
そして、素直に凄いひとなんだな－そう、思った。