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桜の季節が巡っても
第5章 別離の春
「出来るかは分からないけど。減らす事は可能かな…と?」
笑う龍貴に、泉夏は深刻な表情で問う。
「…健康診断でとうとう異常が見つかった?」
「馬鹿。こんだけ毎日吸ってても、毎年検診はなんの問題もない、何故か。寧ろ健康そのものだ」
「じゃ、どんな心境の変化?」
「泉夏がこの間心配してくれたから?」
ほのかな灯りの中、龍貴は誘うようなそれで泉夏を見た。
また始まった-泉夏は嘆息する。
「なんて。ほんとは買おうと思ってたけど、コンビニの横通り過ぎるお前を見つけて、とりあえず一箱だけ買って追いかけて来た」
即否定する龍貴に再び、溜め息-どうせそんな事だと思った。
「そして、痴漢行為を働いたと」
意地悪く言う泉夏に、龍貴は眉を寄せた。
「人聞き悪い事を言うな」
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