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桜の季節が巡っても
第5章 別離の春
「貸して」
言われ、泉夏は鞄から取り出した名刺を龍貴に差し渡した。
受け取った龍貴は、裏側に書かれた番号に電話をかけてみる。
コール音が空しく響くだけで、出る気配は一向にない。
龍貴は通話終了を押す。
「番号知ってる奴からかかってきたら出てくれるかなとも思ったけど、やっぱ出ないね。…尤も、まだ俺の連絡先を消さないでいてくれてたらの話だけど」
頬杖をつき、名刺を眺めながら、龍貴は呟く。
一縷の望みをかけていた泉夏は、落胆の色を隠せない。
「ま、出ないものは仕方ない。無駄だと思うけど、メールも一応してみるか」
龍貴は間違いのないように、一文字一文字英数字を入力していく。
「なんかやたらと長くて、英数字が適当に並んだようなアドレスだな」
「私もそれは思ってた」
自分の名前とか、誕生日とか、家族とか、趣味とか、全てとは言わないけど、一部分だけでも何かしらに関係しているものが多いと思うのだけど。
彼が書き残したアドレスはどこをどう見ても、到底意味のありそうなものではなかった。
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