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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
駅から徒歩十五分の道のりも、今はとてももどかしい。
ずっと全速力で走って行けたらいいのに-どんなに頑張っても程なく切れる、息。
でも、歩く訳にはいかない-歩きたくない。
歩きと走りの中間のような速度で、とにかく目的地まで進む。
横断歩道でちょうど信号が赤に切り替わった。
逸る心が更に不安を煽る。
早く変わって、信号。
お願い。
早く。
お願い。
早く。
お願い-。
もしかしたら、この数分でいなくなってしまうかもしれない。
折角探し出せたかもしれないのに、またすぐいなくなってしまう。
ずっと全速力で走って行けたらいいのに-どんなに頑張っても程なく切れる、息。
でも、歩く訳にはいかない-歩きたくない。
歩きと走りの中間のような速度で、とにかく目的地まで進む。
横断歩道でちょうど信号が赤に切り替わった。
逸る心が更に不安を煽る。
早く変わって、信号。
お願い。
早く。
お願い。
早く。
お願い-。
もしかしたら、この数分でいなくなってしまうかもしれない。
折角探し出せたかもしれないのに、またすぐいなくなってしまう。

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