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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
見開いた本はそのままに、彼は面を上げてこちらを見ていた。
「…!!」
泉夏は息を呑む。
久々にその秀麗な顔に射抜かれれば-もう声も出やしない。
ただ黙って立ち尽くすしかない泉夏とは対照的に、彼は目線を手元の本に移し、閉じた。
本を棚に静かに戻す。
そこで一呼吸置き、秀王は再度、泉夏に向き直る。
いなくなる前と少しも変わらない、吸い込まれそうな微笑みを携えて。

ああ!
あなたからもう決して逃れられない-。

もしも、もう一度逢えたのなら、文句や恨み言を山ほど言いたかったはずだった。
喉からは何も絞り出せない代わりに、泉夏の瞳からは堰を切ったように熱い涙が溢れ出した。



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