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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
「先生は頭がもの凄く良くて。顔も滅茶苦茶かっこ良くて。完全完璧なひとなんです。そんなひとが、そんないやらしい事言わないで下さい。それこそ先生が嫌ってたセクハラじゃないですかっ」
先生なら言わない-秀王は面白そうに泉夏を見た。
「命取りになるからな。…でも、今はそうじゃない」
「…」
確かに、それはそうだれど-泉夏はなんか納得いかない。
先生ってこんなひとだったの?
これじゃいつか龍貴の言ってた通りだ。
先生の立場だから言わないだけ。
先生を神聖化し過ぎ。
見事に当たってたって事?
正直に言うのなら-多少なりともがっくりくるものがある。
なら私、別にいつでも好きな時に短いスカート履いて良かったってわけで。
先生の好みと真逆の格好をわざわざしてたの。
自分の一年間の努力って-。
泉夏の複雑な表情に、秀王は微かに苦笑した。
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