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桜の季節が巡っても
第1章 心恋の春
「変な噂ばかりこの大学には駆け回っているようで。いい話はさっぱりだが、捏造された悪口ならいくらでも聞こえてくる」
「…先生、私達の話どこから聞いてました?」
非常に嫌な予感がし、泉夏は恐る恐る彼に問う。
「自分の名誉の為に一応言い訳をするのなら、立ち聞きをしていたわけじゃない。普段は聞こえない振りを決め込むが、あまりに大きな声で喋っているから、通りがかりに自然と耳に入ってきただけだ。…ただの民間人に、SPなんか普通つかない」
さり気なさを装い。
准教授が付け足した言葉に、麻衣は頬を膨らませて抗議した。
「最初っから全部聞いてる~!!」
だがしかし。
秀王はそんな彼女など全くに意に介せず、肩を竦めた。
その場から歩を進めようとし-心なしか彼の目線は、桜の木々の下へ向けられているように見えた。
何かを探してるような秀王の姿に、泉夏は心を奮い立たせ、思い切って声をかけようとする。
「…先生、私達の話どこから聞いてました?」
非常に嫌な予感がし、泉夏は恐る恐る彼に問う。
「自分の名誉の為に一応言い訳をするのなら、立ち聞きをしていたわけじゃない。普段は聞こえない振りを決め込むが、あまりに大きな声で喋っているから、通りがかりに自然と耳に入ってきただけだ。…ただの民間人に、SPなんか普通つかない」
さり気なさを装い。
准教授が付け足した言葉に、麻衣は頬を膨らませて抗議した。
「最初っから全部聞いてる~!!」
だがしかし。
秀王はそんな彼女など全くに意に介せず、肩を竦めた。
その場から歩を進めようとし-心なしか彼の目線は、桜の木々の下へ向けられているように見えた。
何かを探してるような秀王の姿に、泉夏は心を奮い立たせ、思い切って声をかけようとする。

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