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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
「夏ぐらいから段々調子が悪くなって、もういつ死んでもおかしくないと言われていたけれど。それでも冬まで頑張ってくれた。だから、十分だ。命あるものはいつか必ず死ぬ。こればかりはどうしようもない」
淡々と語る彼。
怖いけれども-でもどうしても、確かめなければいけない事があった。
「…私。先生に多分謝らなければいけない事があって」
居たたまれず、泉夏は睫を伏せた。
彼の視線を感じる。
「去年の冬休み前の事。私が先生を駐車場まで追いかけて、勉強を教えてもらったあの日-」
言いながら、泉夏の胸は痛んで仕方がなかった。
「あの日、先生は早く帰ろうとしてた。その時は珍しいなぐらいにしか思ってなかった。…でも本当は先生、大事な用事があったんだよね?あの時、シロはかなり具合が悪かったんじゃない?多分病院かどこかにいて。それで先生は、早く帰ってあげようとしてた。それを私は自分の事しか考えてなくて…引き留めた。先生はきっと内心、とっても困ったはず。なのに優しい先生は何も言わず、私に付き合ってくれて」
淡々と語る彼。
怖いけれども-でもどうしても、確かめなければいけない事があった。
「…私。先生に多分謝らなければいけない事があって」
居たたまれず、泉夏は睫を伏せた。
彼の視線を感じる。
「去年の冬休み前の事。私が先生を駐車場まで追いかけて、勉強を教えてもらったあの日-」
言いながら、泉夏の胸は痛んで仕方がなかった。
「あの日、先生は早く帰ろうとしてた。その時は珍しいなぐらいにしか思ってなかった。…でも本当は先生、大事な用事があったんだよね?あの時、シロはかなり具合が悪かったんじゃない?多分病院かどこかにいて。それで先生は、早く帰ってあげようとしてた。それを私は自分の事しか考えてなくて…引き留めた。先生はきっと内心、とっても困ったはず。なのに優しい先生は何も言わず、私に付き合ってくれて」

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