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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
「答えを知っているのなら、教えてもらっても?」
「…!」
身体中の血液が沸騰したんじゃないかと思うくらいの熱を、瞬時に帯びる。
私が-先生に教える?
そしたらあなたは、その通りにしてくれるの?
そしたらあなたは、本当に?
私の側からもう、いなくならない?
絶対に?
言い淀んでいると、秀王が穏やかに言葉を紡いだ。
「確かにあの日早く帰ろうとしていたのは、病院に預けていたから。迎えに行く約束をしていたから。でも容体はまだ安定していて、少しくらい質問を受けてから行っても大丈夫だと思ったから、自分の判断でそうした。本当に危ない状態だったら、悪いけれど断っていた」
-だから、気に病む事は何もない。
優しく、諭すように言われた。
「…その日は大丈夫だった?」
泉夏の消え入りそうな声に、秀王はしっかりと頷いた。
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