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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
まただ。
また、不安が点滅し始める。
本当に訊きたい事は別にある。
でも、怖くて口に出せない。
当たり障りのなさそうな事しか、問えない。
先生。
私をこれ以上、怖がらせないで。
お願い-。
押し潰されそうな感情を表に出さぬよう、平静をどうにか保つ。
「飼う以上は責任を持たなければならない。連れて行く事も出来ただろうけど、あんなに弱っていたのを、いきなり長時間連れ回すのも憚られ…その時は諦めた」
先生、お願い。
やめて、お願い。
私また泣きそうになってる。
私が泣いたら先生困るって言ってたじゃない。
だったら、もうやめて。
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