この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
あの日から大切にとっておいた、ノート。
乱暴に一番最後のページを捲る。
間に挟めてあった小さな紙片-名刺が宙を舞う。
見開き-ノートを手で引き裂いてやろうし。
「…っ」
ぽたぽたと雫が落ちてきた。
赤い花の上にそれはやむ事なく、降り注ぐ-。
「…出来ない。出来ないよ、先生…!」
あなたとの思い出を、破る事なんて。
破り捨てる事が出来るなら、まだ救われるかもしれないのに。
ノートを掻き抱き、その場に崩れ落ちる。
あのひとの書いてくれた花に頬を寄せ、号泣する。
涙に濡れ、薄っすらと消えかかる花丸。
いけない-思い出でまでもがなくなってしまう。
泉夏は瞬間涙を止め、ノートから顔を離す。
ピンクの指先で、水滴をそっと拭き取った。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ