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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
いつもは冷静沈着な彼が動揺しているのが、明らかに見てとれた。
その様子だけで、泉夏は肯定と判断した-そしてそれは間違いではかった。
「本当に一年以上も黙っていてごめんなさい。今、先生にお返しします-」
秀王がゆっくりと開いた左の手の平に、泉夏は桜の花びらを模った小さなキーホルダーをそっと乗せた。
開かれていた彼の手が、それを確かめるように握り締める。
「どこでこれを…?」
秀王の僅かに掠れた声に、泉夏は微笑んだ。
「去年の大学の入学式の日。桜の下で」
あの日の情景が、鮮やかに甦る。
桜の木。
桜の色。
桜の匂い-。
「私、高校の担任の先生に、志望校合格は絶対無理だって嗤われてたんです。悔しくて悔しくて、絶対受かってやるんだって一年間猛勉強して。見事合格した時は本当に嬉しかった」
「……」
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