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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
「結論から言うと、式の半分は出席出来ませんでした。膝をついて探し物をしていたからストッキングは破れ、新調したスーツは皺だらけ。風に煽られセットした髪の毛はぼさぼさ、汗で化粧は崩れて…しかも結局眼鏡。母親には家路に着く間中、ずうっとお小言をくらいました」
でも-泉夏は悪戯を含んだ目で、秀王を見た。
「探し物は見つかりました。だから全然、寧ろ嬉しい思い出です」
しかも思った通り、やっぱりあなたのだった。
勇気を出して、良かった-。
泉夏は勢いよく立ち上がる。
「五分とっくに過ぎてしまいましたね。帰ります」
マスカラが流れてしまう-可愛くない顔を見せられない。
見せたくない。
なら、どうすればいいのか。
知ってるでしょう?
私、知っている-。
「さよなら、有栖川先生」
明るく言い放ち、泉夏はバッグを携え踵を返す。
でも-泉夏は悪戯を含んだ目で、秀王を見た。
「探し物は見つかりました。だから全然、寧ろ嬉しい思い出です」
しかも思った通り、やっぱりあなたのだった。
勇気を出して、良かった-。
泉夏は勢いよく立ち上がる。
「五分とっくに過ぎてしまいましたね。帰ります」
マスカラが流れてしまう-可愛くない顔を見せられない。
見せたくない。
なら、どうすればいいのか。
知ってるでしょう?
私、知っている-。
「さよなら、有栖川先生」
明るく言い放ち、泉夏はバッグを携え踵を返す。

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