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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「ところでお前んち、見たとこ今誰もいなそうだけど?」
問われ、泉夏は背後に目をやった。
「あ…お兄ちゃんは休日出勤で、ママは冨樫(とがし)さんちにお茶に-」
「上がってもいい?」
「お兄ちゃんが帰って来た場合、また説教されてもいいならどうぞ」
「夕方だし、そろそろ帰って来そうだよな」
龍貴は大袈裟に顔を顰(しか)める。
「じゃ、久し振りに、俺とこれからデートする?」
相変わらずの扇情的な眼差しを、龍貴は向けてくる。
この時間から?-戸惑う泉夏に、龍貴は手にしていた絢子から頼まれていたもらい物のケーキの箱を素早く渡し、片頬を意地悪く歪めた。
「だって有栖川先生の話、すげー聞きたい。聞く前から楽しそうな予感が既にするんだけど」
こっちは面白くなんか全然ないんだけど-そんな龍貴の様子に、泉夏は嘆息する。
次いで、泉夏は目の前の長身の龍貴を見上げて言った。
「私はどっちかと言うと、高校の時からずっと真っ金を通してきた龍が、このちょっと見ない間(ま)に、すっかり大人になってしまっていた理由が凄く知りたいんだけど」
「馬鹿。十年も前からとっくに大人だ」
黒髪を掻き上げ、龍貴は笑った。



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