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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「傷付けないように、曖昧にしてくれただけだよ」
「アメリカに行くってのも実は嘘だったりしてな」
「え?」
「日本にいたりして」
思わず、動揺してしまう。
なんてな-龍貴は鼻で笑い、車を発進させた。
「まあ、大学を辞めたからにはほんとに行ったと思うけど」
言って、煙草を一本取り出す。
運転席側の窓を僅かに開け、ライターで火を点ける。
「吸ってもいい?」
煙を一度吐き出した後、泉夏に問いかける。
「…もう吸ってんじゃん」
「だな」
龍貴の肩が大きく揺れた。
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