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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「…私も煙草でも吸ってみようかな」
いかにも美味しそうに喫煙する龍貴を横目に、泉夏は漏らした。
その言葉を受け、龍貴は面白そうに目を細めた。
「二十歳(おとな)になったもんなあ。何事も経験だし、いんじゃない?」
龍貴は泉夏に、煙草とライターを投げて寄越した。
「吸ってみたら?」
いきなりそれらを手にして、泉夏は途方に暮れる。
「…そもそも火の点け方が分からない」
「待ってな」
口元だけで笑い、龍貴は道路沿いの駐車場が広い店に一時的に車を停めた。
「貸して」
座席のシートベルトを外し、吸ってた煙草を灰皿で消した龍貴は、先程自らが投げたそれらを泉夏から受け取る。
箱から一本取り出し、泉夏の口紅で濡れた唇に、そっと差し入れた。
「ただ咥えてるだけじゃ火は点かない。優しく、息を吸って-」
龍貴は泉夏に顔を近付ける。
言われた通りに、息を吸い込んでみる。
いかにも美味しそうに喫煙する龍貴を横目に、泉夏は漏らした。
その言葉を受け、龍貴は面白そうに目を細めた。
「二十歳(おとな)になったもんなあ。何事も経験だし、いんじゃない?」
龍貴は泉夏に、煙草とライターを投げて寄越した。
「吸ってみたら?」
いきなりそれらを手にして、泉夏は途方に暮れる。
「…そもそも火の点け方が分からない」
「待ってな」
口元だけで笑い、龍貴は道路沿いの駐車場が広い店に一時的に車を停めた。
「貸して」
座席のシートベルトを外し、吸ってた煙草を灰皿で消した龍貴は、先程自らが投げたそれらを泉夏から受け取る。
箱から一本取り出し、泉夏の口紅で濡れた唇に、そっと差し入れた。
「ただ咥えてるだけじゃ火は点かない。優しく、息を吸って-」
龍貴は泉夏に顔を近付ける。
言われた通りに、息を吸い込んでみる。

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