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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「伊東君-」
「大丈夫?」
大樹がいつの間にか側に立っていた。
「…ありがと」
泉夏はお礼を言う。
「ごめん、泉夏!」
麻衣が慌てて謝ってきた。
「平気。伊東君が押さえてくれたし」
泉夏は大樹を見上げた。
大樹は顔を綻ばせた。
「間に合って良かった」
隣りの空席に座った大樹に、泉夏は小さく頷き同じく笑う。
「何?なんの話で盛り合ってたの?」
問われ、泉夏は返答に一瞬迷う。
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