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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「いや…夏休みみんなでバーベキューしたり、花火大会に行ったりしたのに、流川一度も顔を出さなかったから。休み中も会ってくれるって約束してたのに…結局会えずじまいで残念だったなあって」
「…ごめん」
泉夏の呟きに、大樹は慌てて首を振った。
「あ、責めてるんじゃなく!ただ、なんか具合悪かったりとかしたのかなあって…!」
嘘を吐く事の罪悪感が一瞬脳裏を過ったが、だが強ちまるっきり偽りでもないと考え直す。
「夏バテで…食欲がかなり落ちちゃって。それをずるずる引きずって夏休みの間、体調があんまり良くなかったから」
それで行けなかった-泉夏は告げた。
「そうなんだ…久し振りに流川を見た時、確かにちょっと痩せてる気がしてた」
-もう大丈夫なの?
大樹に問われ、泉夏は頷く。
「うん、徐々にって感じかな。でも食欲は昨夜からなんか戻ってきたんだよね、急に」
笑った泉夏に、大樹もまた曖昧な笑いを返す。
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