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桜の季節が巡っても
第1章 心恋の春
「大学からもきつく通達されてる。そういう行為は厳に慎むよう。特に男性職員は女子学生に対して、少しでも誤解を生むような言動は決してしてはいけない」
外した眼鏡を持った手を再度振る。
「こうやって女性と一緒にいるだけで、あらぬ疑いをかけられる事もある」
-だからもう終了だ。
秀王はもう追ってくるなと言わんばかりに、歩みの速度を上げた。
「女性と一緒って…いや、私達少なくとも二人いますけど。しかも密室じゃなく、ここ誰もが通ってる廊下だし」
彼の歩く速さにどうにか合わせつつ。
ほら-麻衣は擦れ違った、騒がしい女子グループを指差した。
「愛車の名前教えてくれたじゃないですか。あれはプライベートじゃないんですか?」
「あれは特別だ。でないとあらぬ噂が止まらなそうだったから」
「え~」
不満そうに口を尖らす麻衣を、泉夏は制した。
「先生困ってるから。行こ、麻衣」
しょうがないなあ-毒づきながらも、麻衣はあっさり引き下がる。
引き際の良さも、彼女の魅力の一つだった。
外した眼鏡を持った手を再度振る。
「こうやって女性と一緒にいるだけで、あらぬ疑いをかけられる事もある」
-だからもう終了だ。
秀王はもう追ってくるなと言わんばかりに、歩みの速度を上げた。
「女性と一緒って…いや、私達少なくとも二人いますけど。しかも密室じゃなく、ここ誰もが通ってる廊下だし」
彼の歩く速さにどうにか合わせつつ。
ほら-麻衣は擦れ違った、騒がしい女子グループを指差した。
「愛車の名前教えてくれたじゃないですか。あれはプライベートじゃないんですか?」
「あれは特別だ。でないとあらぬ噂が止まらなそうだったから」
「え~」
不満そうに口を尖らす麻衣を、泉夏は制した。
「先生困ってるから。行こ、麻衣」
しょうがないなあ-毒づきながらも、麻衣はあっさり引き下がる。
引き際の良さも、彼女の魅力の一つだった。

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