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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「…来るって言ってたけど」
通話を終え、泉夏はスマートフォンをテーブルの上へ置いた。
秋も深まってきたある土曜の夜。
駅に程近い、馴染みのファミレス。
店内左奥、窓際の喫煙席。
着席するなり、早速一服し始めた人物を横目に泉夏は嘆息する。
「…禁煙はどうしたの、禁煙は」
文句の一つも言いたくなる。
泉夏自身煙草なんて吸わないから、普段は専らどこでも禁煙席を選ぶ。
ましてや、食事の際には紫煙の中では食べたくないのが本音。
折角の料理も美味しさが半減する-気がする。
週末のランチタイムは全席禁煙だったが、夜の時間帯は分煙になるらしく、泉夏が言うより早く、彼は案内係のバイトに喫煙席を告げた。
「たった今仕事先からタクシー飛ばさせて来たんだ。労働後の一服くらいさせろ」
言って、龍貴は頭上に煙を吐く。
その言葉通り、今日の彼は私服ではなく、スーツ姿だった。
通話を終え、泉夏はスマートフォンをテーブルの上へ置いた。
秋も深まってきたある土曜の夜。
駅に程近い、馴染みのファミレス。
店内左奥、窓際の喫煙席。
着席するなり、早速一服し始めた人物を横目に泉夏は嘆息する。
「…禁煙はどうしたの、禁煙は」
文句の一つも言いたくなる。
泉夏自身煙草なんて吸わないから、普段は専らどこでも禁煙席を選ぶ。
ましてや、食事の際には紫煙の中では食べたくないのが本音。
折角の料理も美味しさが半減する-気がする。
週末のランチタイムは全席禁煙だったが、夜の時間帯は分煙になるらしく、泉夏が言うより早く、彼は案内係のバイトに喫煙席を告げた。
「たった今仕事先からタクシー飛ばさせて来たんだ。労働後の一服くらいさせろ」
言って、龍貴は頭上に煙を吐く。
その言葉通り、今日の彼は私服ではなく、スーツ姿だった。

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