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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「なんの用もないって酷過ぎ」
泉夏は軽く龍貴を睨む。
「俺、帰ろうかな」
ぽつり。
いきなり呟かれ、泉夏は焦る。
「伊東君はお前会いたさに来るわけで。多分、お前と俺がふたりでいるのが嫌で来るわけで。だったら俺、いない方が良くね?伊東君の邪魔したくないし」
有言実行の龍貴の事、すぐさま腰を上げそうで、泉夏は慌てふためく。
「やだ、帰らないで」
龍貴のワイシャツの袖を、急いで強く掴む。
「お願い、ふたりにしないで」
切実に懇願する泉夏に、龍貴は苦笑いした。
「電話の一本も出来ない男が、ふたりきりになったってなんもしねーよ」
「…そうじゃなくて」
消え入りそうな、泉夏の声。
泉夏は軽く龍貴を睨む。
「俺、帰ろうかな」
ぽつり。
いきなり呟かれ、泉夏は焦る。
「伊東君はお前会いたさに来るわけで。多分、お前と俺がふたりでいるのが嫌で来るわけで。だったら俺、いない方が良くね?伊東君の邪魔したくないし」
有言実行の龍貴の事、すぐさま腰を上げそうで、泉夏は慌てふためく。
「やだ、帰らないで」
龍貴のワイシャツの袖を、急いで強く掴む。
「お願い、ふたりにしないで」
切実に懇願する泉夏に、龍貴は苦笑いした。
「電話の一本も出来ない男が、ふたりきりになったってなんもしねーよ」
「…そうじゃなくて」
消え入りそうな、泉夏の声。

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