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桜の季節が巡っても
第1章 心恋の春
何より。
この一年間、毎日頑張ってきた娘の姿を目の当たりにしてきただけに、新たな大学生活の始まりをきちんと見届けてやりたかったのだ。
「ありがと、ママ」
そんなありがたい親心ぐらい-ちゃんと分かってる。
泉夏は目を細め、母親に感謝を告げた。
「大丈夫。スーツにくっついてるかもだから、それをもう一回、ちょっと確認するだけ。地面は…ママの言う通り探せやしないだろうから、ぱっと見てみて諦めるし。すぐに眼鏡かけてダッシュする。ちゃんと間に合うように行くから」
-だから、お願い。
切実な娘の表情に、絢子の口元が緩んだ。
「あなたはねぇ、こうと言ったら頑として絶対ゆずらないとこがあるから-」
母親の苦笑に、泉夏自身も苦笑いを返すしかない。
「じゃあね、ママ行ってるから」
「うん」
泉夏は嬉しそうに頷く。
この一年間、毎日頑張ってきた娘の姿を目の当たりにしてきただけに、新たな大学生活の始まりをきちんと見届けてやりたかったのだ。
「ありがと、ママ」
そんなありがたい親心ぐらい-ちゃんと分かってる。
泉夏は目を細め、母親に感謝を告げた。
「大丈夫。スーツにくっついてるかもだから、それをもう一回、ちょっと確認するだけ。地面は…ママの言う通り探せやしないだろうから、ぱっと見てみて諦めるし。すぐに眼鏡かけてダッシュする。ちゃんと間に合うように行くから」
-だから、お願い。
切実な娘の表情に、絢子の口元が緩んだ。
「あなたはねぇ、こうと言ったら頑として絶対ゆずらないとこがあるから-」
母親の苦笑に、泉夏自身も苦笑いを返すしかない。
「じゃあね、ママ行ってるから」
「うん」
泉夏は嬉しそうに頷く。

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