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桜の季節が巡っても
第2章 了見の夏
「そう?」
「そうだよ。バイトもあるしさ。課題もやらなきゃだし、こう見えて私も結構忙しいんだよ」
「はいはい」
絢子は笑って新聞を閉じた-それじゃあご飯にしましょう、味噌汁を温めにキッチンに向かう。
泉夏もご飯くらいはよそおうと、しゃもじを手にした。
「お兄ちゃんは?」
「もう起きてたからおトイレじゃないかな、今来るわよ」
「じゃあ四人分よそっておくね」
茶碗に四つご飯を盛り、三つは食卓に、あと一つはリビングの隣りの和室へ。
「パパ、おはよう」
和室の隅に置かれた仏壇の前で手を合わせる。
毎朝の決まり事。
今日もみんなを見守っていてね-天国の父に心の中で、お願い。
「ところで泉夏」
食卓についたところで、絢子が訊いてきた。
「そうだよ。バイトもあるしさ。課題もやらなきゃだし、こう見えて私も結構忙しいんだよ」
「はいはい」
絢子は笑って新聞を閉じた-それじゃあご飯にしましょう、味噌汁を温めにキッチンに向かう。
泉夏もご飯くらいはよそおうと、しゃもじを手にした。
「お兄ちゃんは?」
「もう起きてたからおトイレじゃないかな、今来るわよ」
「じゃあ四人分よそっておくね」
茶碗に四つご飯を盛り、三つは食卓に、あと一つはリビングの隣りの和室へ。
「パパ、おはよう」
和室の隅に置かれた仏壇の前で手を合わせる。
毎朝の決まり事。
今日もみんなを見守っていてね-天国の父に心の中で、お願い。
「ところで泉夏」
食卓についたところで、絢子が訊いてきた。

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