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桜の季節が巡っても
第8章 忘却の冬
「あんたはそうでも、向こうはただの友達だなんて思ってないでしょ。絶対一緒にいたいに決まってるって」
-なんか言われてないの?
麻衣の囁きに、泉夏は首を振る。
「…何も」
「訊いてみたら?」
「ええ?別にいいよ、麻衣達とパーティーしたいし」
言って、中庭に面したガラス張りの窓側に視線をやる。
花も葉も落ち、痩せ細った寂し気な桜の枝が目に映る。
行き交う、コートを着た学生達。
どんなに眺めても-あなたはいない。
もしも見つけたら、迷わずまたここまで連れて来るのに。
ここで向かい合って、教えてもらうのに。
色んな、事を-。
意識が飛んだ泉夏を引き戻したのは、麻衣の声だった。
-なんか言われてないの?
麻衣の囁きに、泉夏は首を振る。
「…何も」
「訊いてみたら?」
「ええ?別にいいよ、麻衣達とパーティーしたいし」
言って、中庭に面したガラス張りの窓側に視線をやる。
花も葉も落ち、痩せ細った寂し気な桜の枝が目に映る。
行き交う、コートを着た学生達。
どんなに眺めても-あなたはいない。
もしも見つけたら、迷わずまたここまで連れて来るのに。
ここで向かい合って、教えてもらうのに。
色んな、事を-。
意識が飛んだ泉夏を引き戻したのは、麻衣の声だった。

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