この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第8章 忘却の冬
「なんかいきなりだったし。どうしたんだろうと訊こうとしたら、伊東君が来て-」
それきりになってた-今の今まで忘れてた、その程度の出来事。
今更どうしてそんな事を知りたいのか-泉夏にはさっぱり分からなかった。
「龍のやる事いちいち気にしてたらきりないよ?殆ど悪ふざけしてるだけだから」
なんとなくだけど大樹の元気がなさそうで、慰めでもないがそう言ってみる。
あの時。
彼女は大樹に背を向けていたが、あの彼の右手が顔-恐らく顎に触れていたのは、明らかだった。
大樹の姿を認めた彼は余裕の微笑みで挨拶し、ゆっくりとその手を離したけれど。
今だから言うけど、目の当たりにした瞬間、大樹はかなりショックだった。
自分との差を改めて、まざまざと見せつけられた。
全てにおいてあの彼の方が、自分より遥かに勝(まさ)っているのは知っていた。
偶然でもなければ、自分は彼女に触れない。
触れられない。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ