この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第8章 忘却の冬
「…誰のせいだと思ってるのよ」
泉夏の絞り出すような声に、龍貴は訝し気に目を細めた。
射るような彼女の瞳に見つめられ、龍貴は珍しくたじろぐ。
「え、なに」
-俺?
返答する代わりに、泉夏は小さく息を吐(つ)く。
「なにかってと、お兄さんとどうした。お兄さんがこうした。何してた。何言ってた-」
「え、まさか伊東君、俺の事が好きだったの?」
困惑の表情を浮かべる龍貴に、泉夏は萎えてしまう。
「…そうじゃないでしょ」
「え、じゃあ何。なんでそんなに俺の話題が出るの」
「お兄さんに張り合ってるんじゃないの」
-知らないけど。
顔を逸らし、泉夏は呟く。
あんまり全てを自分で喋り、自惚れ過ぎてると思われたくはない。
「俺がお前をどうかしないか心配で、探りを入れてるって事?」
敏しい彼はすぐに理解し、意地の悪い笑みを泉夏に送った。
「…なのかな?」
「俺と伊東君は好敵手(ライバル)なんだ」
恋の-泉夏の耳を、龍貴の囁きがくすぐった。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ