この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
スマホと財布を掻き集めるので精一杯だった。
本も気にはなったけれど、そこまで手を伸ばせなかった。
その時間もなかったし-そのひとの一番近くまで滑り落ちてしまっていたから。
もつれそうな両足を堪え、なんとか走り出す。
そのひとが動く気配を、ほんの僅か背後に感じた。
閲覧室を出て、スロープを下る。
もっと早くにここを抜け出したい。
でもこの震える足では、これ以上のスピードは無理だった。
一刻も早くこの場所から去ってしまいたい。
後ろから誰かが追って来ているのか、来ていないのか-それすら定かじゃない。
振り返る事も。
立ち止まる事も。
両方、出来なかった。
もしかしたら、追って来てないかもしれない。
勘違いかもしれない。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ