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桜の季節が巡っても
第2章 了見の夏
「正論だな」
「…でもその正論が通じないのが、お兄ちゃんなんだよね」
「確かに!」
龍貴は爆笑する。
「お前の兄ちゃん重度のシスコンだからなあ」
信号が赤になり、アウディは静かに停止する。
「あ、駅…」
ちょうど駅前近くの交差点だったので、泉夏は荷物を抱え降りようとする。
その細い右腕を、龍貴は掴んだ。
「映画館まで送るに決まってるだろ」
「…ありがと」
「俺とお前の仲だ、今更遠慮でもないだろ」
サングラスの奥から誘うような流し目を送りながら、龍貴は口角を上げた。
泉夏の頬が赤く染まる。
「…でもその正論が通じないのが、お兄ちゃんなんだよね」
「確かに!」
龍貴は爆笑する。
「お前の兄ちゃん重度のシスコンだからなあ」
信号が赤になり、アウディは静かに停止する。
「あ、駅…」
ちょうど駅前近くの交差点だったので、泉夏は荷物を抱え降りようとする。
その細い右腕を、龍貴は掴んだ。
「映画館まで送るに決まってるだろ」
「…ありがと」
「俺とお前の仲だ、今更遠慮でもないだろ」
サングラスの奥から誘うような流し目を送りながら、龍貴は口角を上げた。
泉夏の頬が赤く染まる。

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