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第9章 邂逅の春

捲し立てられ初めはかなり驚いていた秀王だったが、最後まで黙って彼女の話を聞いた後（のち）に、一言。
「…ごめん」
それしか、言えない。
謝る事しか、出来ない。
奇跡のように再会したのに。
もうまた別れなくてはいけないのに。
最後の最後でこれ以上、哀しみを重ねるような事。
言い訳ひとつ。
大切な用事ひとつ。
打ち明けずただ一言、それだけを伝えた。
泉夏は居たたまれない持ちになる。
こんな一気に責め立てたのに、非難を受け入れるだけの彼に。
何かを言ってくれないと、まるで自分が悪者みたいに思えてくる。
悪いのは先生の方じゃないの？
なんで私の胸がちくちく痛むの？
そんなの、絶対おかしい－。