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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
先生-泉夏は、彼を呼ぶ。
「先生。私、泣いてない。ちっとも泣いてなんかいないでしょう?」
睫の先は、まだ水気を含んでいたけれど。
泉夏は笑って、秀王を見つめた。
驚きに見開かれた秀王の目はやがて細められ-彼は静かに頷いた。
ふたりの瞳が解《ほど》けぬように、しっかりと絡み合った。










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