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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
でも。
でも、もし。
もしもまた、さっきと同じように聞こえたら?
そしたら?
そしたら、私-…。
「神様っていると思う?」
突如。
秀王は話題を彼女に振った。
なんの脈絡もない突然の問いに、泉夏は惑う。
「俺はそんなものいないってずっと思って生きてきた。そんな存在がもしいるとするのなら、絶対今とは違う生き方をしてた」
何かを含んだような言い回しが気にはなったが、返答を催促するような目で見られ、泉夏は遠慮がちに口を開いた。
「…分からない」
本心だった。
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