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桜の季節が巡っても
第10章 追憶の春
「そこまで信頼されてるのなら例え冗談だとしても、もう二度と裏切るような行為は出来ないよな」
驚きに満ちた顔は、やがて柔らかな笑みを浮べた。
龍貴は至極真面目に泉夏に告げた。
ふざけた事をせず、黙っていれば十分絵になる容貌をしているだけに-たまにこんな表情を見せられると、非常に心臓に悪い。
誘い込まれないように、泉夏は慌てて目を伏せる。
本当に-どきどきする。
必要以上に鼓動が早くなっているのはきっと、今日の彼自身がいつもとちょっと違うせいだ。
そうに決まってる。
でなければ、なんで-。
図らずも彼を意識し始めてしまってる自分を、認めざるを得なかった。
今まで何度もふたりきりになった事はあった。
でもその時はここまで-と言うか殆ど何も、危機感なんか覚えずにいた。
それは彼がどんな悪ふざけをしようとも、超えてはいけない一線だけは絶対守ってきたから。
驚きに満ちた顔は、やがて柔らかな笑みを浮べた。
龍貴は至極真面目に泉夏に告げた。
ふざけた事をせず、黙っていれば十分絵になる容貌をしているだけに-たまにこんな表情を見せられると、非常に心臓に悪い。
誘い込まれないように、泉夏は慌てて目を伏せる。
本当に-どきどきする。
必要以上に鼓動が早くなっているのはきっと、今日の彼自身がいつもとちょっと違うせいだ。
そうに決まってる。
でなければ、なんで-。
図らずも彼を意識し始めてしまってる自分を、認めざるを得なかった。
今まで何度もふたりきりになった事はあった。
でもその時はここまで-と言うか殆ど何も、危機感なんか覚えずにいた。
それは彼がどんな悪ふざけをしようとも、超えてはいけない一線だけは絶対守ってきたから。

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