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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
もうなかった事なんかに出来ない。
それを知りたいのに。
ちゃんとしなきゃいけないのに。
どういう事なのかはっきり訊きたいのに。
それによって私もどうすればいいのか考えたいのに。
「放置プレイかっつーの!」
怒りに任せて、箸を弁当箱に突き刺す。
麻衣が目を見開く。
「…ほうち?」
不審気に訊き返される。
「な、なんでもない…!」
慌てて首を振り、急いで箸を口に運ぶ。
何、口走ってるの私-焦りつつ、その怒りの矛先は彼にいく。
ほんと、むかつく。
もしかしてからかわれてるだけなの。
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