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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
でもそんな事、彼には取るに足らない事だった。
「見たい奴には見せてやればいいじゃん」
お構いなしに笑う龍貴は、泉夏も予想は十分ついてはいたけれど。
「見られてる方が興奮するだろ」
それには一言、抵抗してやりたかった-抗うことなど決して許されない激しさで、唇を奪われなければ。
ああ…!
羞恥なんて一体どこへ?
一瞬でそんなもの、全て彼に攫われてしまう。
息も絶え絶えの中、泉夏は固く瞳を閉じた。
有栖川先生。
先生。
先生、私-…。