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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
勿論彼に腹立たしさはある。
けれど、何より。
拒む気になったら決して拒めないわけではないのに-それを出来ない、しなくなってる自分。
そんな自分を気付かせる彼。
そんな自分を認めたくなくて、見せかけだけの抵抗をしてみせる私。
嫌。
だめ。
これ以上深入りしたら、どうなるか分からない。
これ以上したらどうなるの。
これ以上したら先生を-。
怖くてそれ以上先を考えられない。
「そんなに嫌なら拒めばいいじゃん」
まるで心の中を見透かしているかのような、龍貴の声。
「嫌がる女を無理矢理やる趣味なんてないし」
言って、外してた煙草を再び口に咥えた。
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