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桜の季節が巡っても
第2章 了見の夏
「してるじゃん、デート」
「してない!」
「じゃ、今何してるの、俺ら」
「…ド、ドライブ?」
「デートじゃん!」
喉の奥で龍貴は笑った。
「今日中にちゃんと送り届けますから、泉夏さんと今からデートさせて下さい。お願いします、お兄さん!…って、礼を尽くして頼んだのになあ」
「何がお兄さんよ、今日初めて聞いたよ…誰が聞いたってふざけてるじゃん」
「まあ、ちょっと…いや、かなりふざけてたかな」
龍貴は豪快に身体を仰け反る。
「だから事故りそうで怖いからちゃんとしてってば!」
「はいはい」
素直に従い、龍貴は乾いた唇を軽く舐めた。
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