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桜の季節が巡っても
第12章 希求の春
「…逢って欲しいって。待ってるからって。日にちと場所が-」
-それで、私。
流石に追いかけて云々は口に出来ず-差し障りのない言葉に置き換える。
無理って返事をした-泉夏が吐き出した答えに、黙って聞いていた龍貴はこちら側に顔を向けた。
「逢えないって。そう伝えた」
泉夏の固い決意に、龍貴は眉を寄せる。
「なんで?折角先生が逢おうって言ってくれたのに?断る理由なんて、もうどこにもないじゃん。もう大学の准教授と学生の関係じゃなくなったのに。どこで何をしようか、やっと誰にもなんの文句も言われなくなったんだよ?」
「…だって。もう、待てない」
好きだとも。
待っててとも。
電話も。
メールも。
次の約束も。
-それで、私。
流石に追いかけて云々は口に出来ず-差し障りのない言葉に置き換える。
無理って返事をした-泉夏が吐き出した答えに、黙って聞いていた龍貴はこちら側に顔を向けた。
「逢えないって。そう伝えた」
泉夏の固い決意に、龍貴は眉を寄せる。
「なんで?折角先生が逢おうって言ってくれたのに?断る理由なんて、もうどこにもないじゃん。もう大学の准教授と学生の関係じゃなくなったのに。どこで何をしようか、やっと誰にもなんの文句も言われなくなったんだよ?」
「…だって。もう、待てない」
好きだとも。
待っててとも。
電話も。
メールも。
次の約束も。

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