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桜の季節が巡っても
第12章 希求の春
「知らなかったとはいえ、そんな日にお前をデートに誘ってしまった俺って、すげーやな奴じゃん?」
-まるで嫉妬に狂って、お前を先生の所に行かせまいとしてるみたいでさ。
龍貴は気分直しとでもいうように、箱から一本取り出した煙草に火を点けた。
「…で?どこに何時?」
セブンスターを咥え、シートベルトを締めながら、龍貴は泉夏を見た。
泉夏は彼が何を知りたいのかが分からない。
「先生との待ち合わせ。どこに何時だったのかを訊いてる」
龍貴の真意をようやく理解した泉夏は、弾かれたように叫んだ。
「来てるわけない。行けないって私、断ったんだからっ…」
スマホを握る手に、力が籠る。
断った後(あと)、あのひとから返信はなかった。
それなら、来ないと。
それでも、来ると。
どっちも。
-まるで嫉妬に狂って、お前を先生の所に行かせまいとしてるみたいでさ。
龍貴は気分直しとでもいうように、箱から一本取り出した煙草に火を点けた。
「…で?どこに何時?」
セブンスターを咥え、シートベルトを締めながら、龍貴は泉夏を見た。
泉夏は彼が何を知りたいのかが分からない。
「先生との待ち合わせ。どこに何時だったのかを訊いてる」
龍貴の真意をようやく理解した泉夏は、弾かれたように叫んだ。
「来てるわけない。行けないって私、断ったんだからっ…」
スマホを握る手に、力が籠る。
断った後(あと)、あのひとから返信はなかった。
それなら、来ないと。
それでも、来ると。
どっちも。

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