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桜の季節が巡っても
第12章 希求の春
楽しい思い出なんて-泉夏はおずおずと、自らの頬に触れたままの彼の手に右手を伸ばした。
そして少し悩んだ末。
その手に自分の手を重ねた。
「楽しくて嬉しい思い出だなんて。たった今、もらってる」
涙溢れる目で、泉夏は笑った。
「先生に、まさかこうして触れてもらえる日が来るなんて。一生無理だって思ってた。それが今、叶っているのに。これが嬉しくないなんて。幸せでないなんて」
-そんな事、あるはずがない。
彼女の言葉に、秀王は身が震える思いがした。
その一言に、こちらが泣きそうになってくる。
嫌がられるんじゃないかと、拒絶を覚悟で触れたこの手でいいのなら。
触れる事が許されるのなら。
もっと。
ずっと。
触れていたい-。
そして少し悩んだ末。
その手に自分の手を重ねた。
「楽しくて嬉しい思い出だなんて。たった今、もらってる」
涙溢れる目で、泉夏は笑った。
「先生に、まさかこうして触れてもらえる日が来るなんて。一生無理だって思ってた。それが今、叶っているのに。これが嬉しくないなんて。幸せでないなんて」
-そんな事、あるはずがない。
彼女の言葉に、秀王は身が震える思いがした。
その一言に、こちらが泣きそうになってくる。
嫌がられるんじゃないかと、拒絶を覚悟で触れたこの手でいいのなら。
触れる事が許されるのなら。
もっと。
ずっと。
触れていたい-。

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