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桜の季節が巡っても
第2章 了見の夏
ハンドルに額を預け-深呼吸を、一回。
気は重過ぎだが、迷いを断ち切るように、龍貴はハンドルから顔を上げた。
「冗談じゃなく涼に殴られるから、そろそろ泣き止んで欲しいんだけど」
泣いてる理由とか、自分が原因なのかとか、聞きたい事は山程あるけれども。
とりあえず、ただただ泣き止んで欲しい。
自慢じゃないが、女性を本気で泣かせた事なんてこれまでの人生で一度もない龍貴は、いつもの威勢の良さだけではどうにも出来ず、ほとほと困り果ててしまう。
「ご、ごめんなさ…っ」
凄く、困らせている-分かっているだけに嗚咽を抑えたいのだけれども、泉夏もその術を知らなかった。
焦れば焦るほど、増々新しい涙が零れ落ちてしまう。
泉夏の耳に、微かな金属音が届く。
次いで、彼女自身のシートベルトを躊躇いがちに外す手が伸びる。
「悪かった。色々と…ちょっと言い過ぎた」
「…!」
抱き寄せられた龍貴の腕の中で、泉夏は身体を強張らせた。
「嫌だったら早く泣き止め。それまでは絶対離さない」
これで速効涙が止まったら、それはそれで結構傷付くなと思いつつ。
龍貴は彼女の身体を更に引き寄せた。
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