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桜の季節が巡っても
第12章 希求の春
私は。
私は先生にさよならをしに、ここへ。
ちゃんと先生の目を見て、ちゃんと言わないと。
もうこれきりだと。
もう今日が最後だと。
きちんとお別れをしないと。
そうして、自分自身にきちんと向き合わないと。
だから、言わないと。
そうしなきゃいけないのに。
口を開きかけ-どうしても、その一言が出ない。
きっと私が何を言おうといるのか気付いてる。
気付いてるのに、優しい。
気付いててなお、私を見る目は優し過ぎる-…。
言い出せない彼女の代わりのように、秀王は自ら、切り出した。
「今日でさよならだ、泉夏」
私は先生にさよならをしに、ここへ。
ちゃんと先生の目を見て、ちゃんと言わないと。
もうこれきりだと。
もう今日が最後だと。
きちんとお別れをしないと。
そうして、自分自身にきちんと向き合わないと。
だから、言わないと。
そうしなきゃいけないのに。
口を開きかけ-どうしても、その一言が出ない。
きっと私が何を言おうといるのか気付いてる。
気付いてるのに、優しい。
気付いててなお、私を見る目は優し過ぎる-…。
言い出せない彼女の代わりのように、秀王は自ら、切り出した。
「今日でさよならだ、泉夏」

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